日常の飲料水に気をつける。
・水は、体重の60~75%を占める体の主要な構成成分で、その10%を失うと健康が脅かされ、20%を失うと死を招くといわれています。水は一般に栄養素には含まれていませんが、とても大事なものです。
体内における水の働きは:
①溶解性が強く、体内における化学反応は水溶液の形で行われる。
②血液の主成分として、栄養成分や酸素などを体の各組織へ運び、また各組織から不要産物を
体外へ排出する。(体の各組織から運ばれた血液中の成分は、腎臓の糸球体でろ過され、必な
成分は尿細管で再吸収して利用し、体内の不要産物を尿として排出する)
③電解質を溶かし、そのバランスを維持する。浸透圧の平衡を維持し、体細胞の形態を保つ。
④発汗作用により体温を調節する。など、生命の維持に重要な働きを行っています。
その水を普段、私たちは多く水道水に頼っています。水道水のほとんどは、貯水池、ダム、河川の水ですが、それらの水の中には、大腸菌などの細菌、空気中の汚染物質や農薬などが含まれているのが普通です。
そこで、取水した水をろ過浄化の後に、大腸菌などの細菌の発生を抑えるため、塩素(0.1ppm以上)を投与します。高度処理では前処理のところでオゾンを利用しておりますが、浄水場から出す前にはやはり塩素で消毒します。
しかし、安全のために投与されている塩素は、他の物質と化学反応を起こし、発ガン性物質であるトリハロメタンを生成している可能性があり、世界中で問題になっております。(日本ではトリハロメタンの総量が、年間平均で 0.1mg以上/L という目標になっておりますが、これは驚きの、「WHO=世界保健機構」のおよそ3倍の許容量です。)
以上のように、水道水は発ガン性物質などの問題があるにせよ、塩素消毒などのお陰でなんとか飲めるようになった水です。
しかし、これはあくまでもビル・マンション・家の入り口までのことです。水道管のサビの問題もあって、一戸建のご家庭での朝一番の水は、飲用・調理用には不適当なため掃除・洗濯などに使用するように指導されているのが現状でしょう。
また、ビル・マンションなどでは、受水槽で一旦貯水しポンプで屋上の高架水槽まで送り、その水を落差を利用して配水しておりますが、この仕組みでは、住人の方が使用されている水がほとんど貯留水で、その過程で、雑菌の繁殖が憂慮されます。